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SUPERBALLING

とりあえず、好きなことともの。気になったことや疑問。独断と偏見に満ちた妄想。あたりで書いてます。

「ご本、出しときますね?」10

6/17 角田光代西加奈子(前編)
2人は普段も仲良し。角田さんはおもてなし好き。角田さんはボクシングを16年習っている、スポーツは大っ嫌いだが。バンテージはお手のもの。
 
若:なんでボクシングやろうと思ったんですか?
角:33歳のときに失恋して、その時に凹んで何もできなくなったんだが、30代で失恋してたらこの先もするだろうから、心を強くしないと耐えられない、強い心は強い肉体に宿るんだろうと。
若:あ〜ヤンキーと同じ考え方ですよね?笑  作家で本書くことに、体動かすことで良い影響は?
角:下手なところから始めて誰よりも強くなれないと知ったことで仕事を人と比べなくなって、若い頃よりは気持ちが楽になった。
若:芯が強くなる感じがあるんですかね?
角:う〜ん。
若:でも絶対女流作家最強ですよね?
角:そんなことないですよ。
若:いやいやミット打ちしてるんだから1番強いですよ女流作家で。角田さんか林真理子だと思うんですけど。今のとこオンエアしますけど。
 
若:西さんは角田さんのどんなところを尊敬してるんですか?
西:こんな方にお会いしたことがない。まず、大御所よりドン御所やん、もう。とんでもない作品をとんでもないスパンで書き続けておられて、獲ってないやつないんじゃないかぐらいとってはるけど、自分をよく見せなさ過ぎて、角田さんやる仕事ちゃうやんっていうのを全部受けちゃう。メールで、この条件ないと思ってお断りしよーとして、添付で今までご協力いただいた方みたいなのあって一応見たら、角田光代って。やっとんのかいと思って。それはたしかにちょっと弊害かもしれへん。
若:角田さんは来た仕事を全部受けていこうって方針?
角:いやいや。お仕事の依頼が来たときに、やるやらないとは別に、「やりたいかやりたくないか」があるということがわからなかった。「あっ、やりたくないでいいんだ」ってわかったんです。それがわかるまでは、何日空いてますかって聞かれたら空いてると答えてた。
若:空いてるからね。空いてるかどうかはわかるけど、やりたいかどうかわからなかったと。一緒にしたら失礼かもしれないけど、ウチの相方に近いかもしれない。相方も、やりたいかやりたくないかわかんないんですよ。ドッキリでやったんですけど、「ロープなしでバンジー飛んでもらえますか?」って頼んだら、現場まで来るんですよ橋まで。60メートルぐらい下の川見て、「ん〜やりましょう!」つって。わかんないんですって、やりたいかやりたくないか。
西:そういうとこあるかも。底なしっていうか。ホント頼まれちゃうから。泣きそうなったんが、お仕事場行ってもNGないから、普通他の作家来たら仕事場見られるのイヤじゃない、「いいよいいよー見て。」って言って、勝手に仕事場入らせてもらったら机の前に角田さんのちっちゃい字で、「小説以外の仕事は断る」って書いてあって。もう涙でてきて。
若:書いとかないと受けちゃうから。笑
西:誰も角田さんに仕事を頼むなって思ったわ。優しくて受けるから。
角:西さんはやりたいやりたくないってあるの?
西:あるよ。角田さんの境地になりたかったけど、ムリ。やっぱどっか異常じゃないとムリだよね。
若:角田さんがどこまでOKしてくれるかのロケやりたいけどね。
西:だってダイエット特集で、顔とか体に脂肪の線書かれて角田さんがこうやって立ってるんよ!なにやってんねんって!
角:モジモジくんみたいなのを
西:角田光代やで!ワナワナワナってなって。ほんで怒り気味で「なんであんなん受けたんですか?」って言ったら、「あっ痩せたかったから。」て。笑
 
「もうダメだと思った時、自分を救ってくれるのは小説・音楽・映画・テレビ・お笑い、どれですか?」
若:角田さん自身は?
角:私は今はネコなんですけど、その前は音楽でした。
若:小説家さんが、そういう時に小説じゃなくて音楽に救われるのは、悔しかったりしませんか?
角:そん時に気付きました、小説は人を救わないっていうか。少なくとも、私は小説では救われないなと思って。それでお聞きしたかったのは、お仕事と救われるものは関係しているのかどうかっていうことでしたね。
若:あーなるほど〜。今はネコですか?どういう時にネコがいれば救われるって思うんですか?
角:この子を残しては死ねないと思ったりとか。あとすっごい辛い時に夢でまでうなされて、ふっと目を開けるとここでネコがスースーと寝息立ててると、帰ってこれた、生還できたっていう。
若:そうっすか〜。迷ってんだよな〜今ネコを買おうか。
西:ええでホンマ、人に優しくなれるで
若:西さんも飼ってますもんね。西さんはどうですか?この中で絶対に救ってくれるもの。
西:ウチはプロレスとお笑い。結構一発でガーンと救ってくれるのはその2つで。でも小説は、長〜いスパンで後から思い出すのは小説。
若:俺はテレビですね。お笑い含めたテレビ。もう本当に絶望した時って動けないんですよ。映画は借りに行かなきゃいけないから、見に行かなきゃいけないからまず消える。小説はページめくらなきゃいけないから、それすらできない。音楽はパワーにやられちゃう時がある、下りすぎちゃうか上がりすぎちゃうか。リモコンを押すまではできる。いくつぐらいの時だったか、なんの番組だったか、本当にもうダメだと思った時にテレビつけたら、ユリオカ超特Qさんがブリーフ一丁で綱渡りさせられてた。それが壮絶にスベってたんだけど、「あっオレ大丈夫だな」って思った瞬間がなんかあったかな。
 
「今の自分はかつて想像していた自分とどう違いますか?」
西:39歳なんやけど、ちっちゃい頃とか字とか自然と草書体の大人の字に変わると思ってた。今だに小学生の時の字と変わらんし。自転車で坂おりる時とか「フゥ〜〜‼︎」ってするし。大人ってこんなに変わらんねやとビックリして。
若:俺はコレは最近の悩みでもあるんだけど、思ったよりとっつぁん坊やだなーと思って。もっと渋くなりたかった。このままいくと元本村弁護士みてーになるんじゃないかと。それをすっごい気にしてる。
西:どんな人になりたかったの例えば?
若:37ともなれば汚れてもいるんだけど、それをあんま出さないようにしてて、諦めもついてんだけど社会上諦めてないフリしてるみたいな。ソロの時の桑田佳祐みたいな。なんか困ってる。俺がMCやってる時に、ひな壇が舐めてんのかね、私語が多い。さんまさんの時そんなしゃべってねーだろって。爆笑の太田さんとかもシブいじゃん。哀愁。哀愁出したいんだけど全然出ないね。自分の親とも違うじゃんイメージが。
西:そう、考える。親が39って私何歳やって数えたら、ウワーッてなる。私まだこんなことで楽しんでるのにとか。母39の時、私十何歳やん。それ考えたら、私子供もいなくて、「わーい角田さんちに遊びにいーこお!」みたいなとか、何も背負ってない感じがする。好きな仕事やし、就職もしたことないから。
若:角田さんはギャップ感じることあります?自分の年齢と、昔の年齢の大人見ててとか。
角:もちろんありますね。昔の大人は、もっと大人を引き受けていたっていうのかな。ウチの親世代とか思い出すと、デパートで年代別に服が別れていたらまっすぐ自分の年代のところに向かってたのを、今できない。おばさんを引き受けることを昔の人はちゃんとやってたなって。
 
「生まれ変わりを信じますか?」
若:角田さん信じますか?
角:信じてるのが当たり前なんですけど、ふっと普通のことなのかな?と思って。
若:僕はすいません信じてないんですけど。
角:そうなんですか⁈
若:そんなに驚かれるとは思わなかった。正直全く信じてないんですけども。西さんは?
西:信じたいかな。角田さんが言うと信じられるんだけど、そういう前世のこという占い師の方とかに会うと、絶対ウソやんってこと言いはるやん。それで、信じさせてくれよって思う。もっと上手いこと言えよって。サンフランシスコで見てもらったときに、「あなた前世でとんでもなく悪いことしてるから、100ドル払わんとおでこがタダれるよ。」って言われて。プロやったらもっと信じさせてくれよって思うねん。角田さんみたいなホントに無垢な真っ直ぐな人が言うと、信じるすごく。わからんことわからんって言ってくれるから、信じられる。
若:うんうん。ちょっと話違うかもしれないんですけど、全然信じてないんですよ、仏教的なこととか生まれ変わりとか、って思ってたんですよ。だけど、死んだ人に関しては、ずっと見てくれてる感じってのがなんかある。しかも上なんすよねやっぱり。さんざん空、宇宙って知ってんのに、上から見られてる感じが普通にするんだよね。それが不思議。
西:だから1人ん時悪いことできんくない?
若:そうそう。
 
 
私のルール
『「根はいい子制度」は絶対ではない』
西:私です。説明難しいんやけど、よくショウジマンガとかでもあるけど、めっちゃ印象悪い不良とかが雨の日に路地裏で子猫抱いててドキッみたいなあるやん、一気に針がいい奴の方に振れるとかあるけど、そういう制度だと思うねん。ホントはあの人いい人って思うのは素敵だと思うんだけど、だからって普段口優しいおじいちゃんがチッて舌打ちしてるとこ見て、「うわっホンマは嫌な人やったんや」って思うのは無しにしようって思うねん。おじいちゃんかって365日の1日ぐらい腹立つときあるやん、それをちょっと失敗しただけで一気に嫌な人にするのはやめようって。芸能人とかでもあるやん、ベッキーさんほらあかんかったって、一回の失敗でその人の努力全部無しにすんなよと。逆はアリでいいと思うの。ホントは素敵な人やったって思うのは素敵やから。
若:多面体を認めないというか、「本当はどういう人?」って言い方するよね。
西:そうそう、そうなの。それもしね、めちゃくちゃ悪人がめっちゃいい人ぶってたとするじゃない、でもそれって根はホントにいい子が優しくするよりしんどいやん、めっちゃ努力してやってるってこと、それを一旦認めようよとは思う。 
若:あのね、話が一緒か違うかわかんないんですけど、番組でこういうことがよくあって、「テレビだからって本音隠すのやめようよ」ってノリになることがあるんだけど、俺とてもじゃないけど本音言ったら仕事全部なくなっちゃうんですよ。よっぽど自分のこといい奴だと思ってんだろうなって思うんだよね。今のパターンで、根がいい子が悪いことちょっとして「ホントは悪い人だ」って糾弾する人って、めちゃくちゃ自分のこと正義だと思ってるんだろうなって。自分にそういう部分がないと思ってるからで。それめちゃくちゃこえーなって。その時スタジオちょー怖いんだよね。コレ1番暴動からの革命起こる時の空気じゃんっていう。
西:わかるわかる。正義って優しくないもんね。
若:そういうニュースでね、ちょっと悪いことをしたというか、糾弾してる時のスタジオの空気怖いよ。全体主義っぽくて。角田さんは人間のいろんな面を書かれてますけど、日常生活で会う人とか、この人ホントはどういう人かなって思ったりします?
角:いや、あんまり思わないですけど、西さんの書かれたことは、小説の本質じゃないかなと思うんですけどね。ホントに悪いだけの人もいないし、悪いけども良さぶってる人もいないし、悪いだけの人もいないみたいな、それを配分していくのが小説だなっていう気がするので、今聞きながらすごい小説の話だなって聞いてました。
 
 
後編は来週。