SUPERBALLING

とりあえず、好きなことともの。気になったことや疑問。あたりで書いてます。

「ご本、出しときますね?」4

結果良くあるために、どうあったらいいか。ということは作家の方々も考えるようですね。

 

 

世代間の違いについて考えることはある?
→「年齢を重ねて聴く音楽に変化はありますか?
若:若い人が聴く音楽全然聴けなくなっちゃって。ベスト20とかのをとりあえず聴かなきゃって思うんですけど、もう聴いてられなくて。もっぱら中島みゆきなんですよ。井上陽水中島みゆき松山千春まで手出しちゃって。胸に響いちゃってその3人が。
聴く音楽についてはどうですか?
平:やっぱり10代の頃の音楽の刷り込みってすごい強いと思いますね。ギターの音って音楽によってすごく違うじゃないですか、ファンクの音と、ヘビメタルとか。エレキギターの音がどういう音が好きかとかは、10代の時の刷り込みがすごい強いと思いますよ。
山:おっしゃる通りで、10代の時に聴いてたものを、今また聴いてますね。ほんとにglobe聴いたり、渋谷系を最近聴いてます、小沢健二さんとか。オリジナル・ラブとか。
 
「自分が今の性別と違う性別だったら、今の職業についていますか?」
山:やってると思います。私は一応性別を公表せずに仕事してるつもりなんです。言ってないよって思ってるので、どういう性別だろうと(今の)仕事をやりたいと思ってるんです。
山崎ナオコーラの由来は?:性別をわからないようにしようとしてなんですけど、正直後悔してます。なんでこんな恥ずかしい名前をつけたんだろうと…。笑  コーラが好きでつけちゃったんですけど、年齢上がってくるとすごい苦しくなってきます。年齢が上がってきて、さすがにあまり飲まなくなってきた…
 
「スランプに陥ったことはありますか?」
平:今んとこないんですけど、40歳になったんですよね、いろんな作家の40代の仕事を振り返ってたら、あんまり40代以降生きてない人が多かったりとか、芥川龍之介とかね。そう考えると、自分が20年近く仕事して40歳なった時に、なんかスランプがあるんじゃないかっていうのを考えて。「マチネな終わりに」っていうのを書いたとこなんですけど、予防的に40代問題を考えて、スランプなる前にいろいろと考えておこうかなと思って。
山:あります、ありました。3年前ぐらいに。パソコンに向かうと涙がダラダラ出てきて、全然書けない。書くのがつらいし、雑誌に書くのも本書くのもすごい怖いっていう。今は吹っ切れたんですよ。→タイミングは?:父が亡くなったり。今までグダグダ考えていたことはすごくくだらなくて、とにかくすごくいい作品でなくてもいいし売れなくてもいいし認められなくてもいいから、とりあえずやりたいことだけ書こう、書きたいことだけ書こうって思ったんですね。
 
「これを言われると一番傷つくということは何ですか?」
山:ヘタウマとか言われると傷つきます。よく言われるのが、「知性のない文章だけど好きです」みたいな。ほんとにそうなんだろうなっては思うんですけど、やっぱり言われるとちょっと自分では頭いいつもりっていうか、ちょっと思っちゃいます。
平:「前作までは好きだったのに今作はちょっと」って言われるのは、ちょっと寂しいですよね。あと会った時に、「母がファンなんです」って言われる人も、自分は違いますけどっていうのをすごく強調される気がして…
 
恋愛に傾向はありますか?
山:私は夢中になるのが好きじゃないので。本を読んでても一晩で夢中に読んでしまうよりもちょっとずつ読むのが好きなんですよ。だから夢中にならないって傾向があるかもしれないです。なんか怖いじゃないですか、自分じゃなくなるみたいで。それがいいんだと思うんですけど、恋愛が好きな人は。友人から真夜中に会いに行ったっていうのを聞くと、わあすごくこわいと思って。
平:僕なんかムード重視っていうのがイヤですね。シチュエーションを凝るみたいな。自分はなかなかできない。景色のいいレストランでサプライズでなんとかみたいなのを、ちょっと自分としてなかなかできないというか、発想はないというか。そういうのを好きな相手が求めていたっていうのを後で知って、あっそうだったんだみたいな。
若:僕はこれ話すの恥ずかしいですけど、どうしても女の人が自分より上のイメージがあるんですよ。腕枕ができないっていうのをエッセイに書いてたんですけど。腕枕っていうのが、なんか女を守るみたいな感じがあって、笑っちゃうんですよね、それを客観視しちゃうと。
面倒みてもらいたいって思っちゃうたちで、5年に1人くらい現れるんですよね、俺の面倒を見てくれようとする女の人が。4ヶ月ぐらい面倒見てもらって、すごい心地いいんですけど、ほんとに人間としておかしいのはわかってるんですけど、5ヶ月目あたりから「舐めてんじゃねえぞ」って思うようになるんですよ。
 
「あきらめる」
山:私は「あきらめる」って言葉が全ての言葉の中で一番好きなんですけど。
→今までどんなこと諦めましたか?:本が売れることとか。笑  けっこう楽になるんですよ。あとはなんだろう、良い人になるのをあきらめるとか、どうせ自分はこの程度の人間だからやりたいことやっていいんだとか。全てをあきらめるとすごくいいのでオススメです。
→あきらめブームはいつから?:けっこう生まれた時からあきらめてた気はしますけど。
 
人が抱えている複数の分人を尊重する
平:みんななんか裏表があるとかね、いくつも人格があると表面的に取り繕ってるだけみたいに捉えがちじゃないですか。でもやっぱりみんないろんな面がありますからね、それをやっぱり尊重しないとなというふうに思いますよね。
若:この文人って言葉が普通に使われるようになってほしいんですよね。僕でいうと、深夜のラジオとお昼の情報番組は違う文人で出てるんですよ。で、演出に腹が立つのは、昼の情報番組に夜のラジオでこんなの言いやがってましたよと持ってくる時があるんですよ。いやー違う文人でやってるから。昼じゃ言わねーよっていう。目的が違いますからね。
 
ワンピースしか着ない
山:私は天才に憧れてるんですけど、「のだめカンタービレ」ていうマンガの中の主人公ののだめがワンピースしか着てなくって、それは作者の二ノ宮さんがおっしゃるには、楽だからワンピースしか着てないそうで、「天才はワンピースしか着ないんだな」って思ったんですよ。それで私もそうしようと思った時からすることにして。ときどき違うの着てます。笑  (ルールもあきらめる)
→平野さんは天才ってどういうものだと思いますか?:その人の才能を世間が愛するっていうこともあると思うんですよね。
 
→若:天才っていう人に会って観察すると、幸せそうではないんですよね。なんで僕もセンスあるってすげー思われたかったんですけど、これをやるとしたらけっこう欠落感をずっと保ちながら死ぬほどやんないと報われることできないし、そこにむしろいけないだろうなって思ったら、やっぱゴルフしながら生活していこうかなって思いましたね。
→平:僕も世界クラスのね、天才って言われる人たちに何人かお会いしたことがあるんですね、音楽家だとか小説家だとかね。なんか一種独特の人の良さがありますね、愛想の良さというか。すごくニコニコしていて、あたりも柔らかいですし。そうじゃないと彼らは、あっという間にこの社会から孤立してしまうから。中途半端な人こそ自分を天才に見せようとして横柄になったりすると思うんで。ほんとにすごい人たちは親切ですよまず。ほんとにそれは感じます。
 
「あきらめるといいことがあるみたいな本ってありますかね?楽に生きれるみたいな、オススメの。」
平:森鴎外の小説は、全編が基本的にあきらめるっていうのが貫かれてますよね。主人公たちが自分の意思ではどうしようもない運命に巻き込まれていって、読んでる人は絶対に自己責任でどうかできたと思わなくてしょうがなかったんじゃないかなって気がするんですよね。よく教科書に載ってる「高瀬舟」とか。読むとしょうがなかったんじゃないかなって気がするのも、鴎外小説の優しさっていうか。

 

 

・10代の刷り込みは強いっていうのは、自分もあると強く感じています。僕はどちらかというとキャッチーな曲にパッとひかれる傾向があるんですが、それは幼い頃のテレビ文化(CMとか主題歌とか)を何の気なしに浴びて育ったから、ていうのが影響していると思いますし。

 

・恋愛の傾向っていうのも面白い話題ですよね。深く聞くにはだいぶ親密じゃないと聴けない気がしますが。あと若林さんの腕枕話はなんか共感しちゃいます、どっかで「僕と俺の間の言い方があったらいいのに。」っておっしゃってた感覚に近いものがありそうですね。

 

・「人が抱えている複数の分人を尊重する」というのは、全面的に賛成です。八方美人なんて言葉もありますが、それともまた違う、よくあろうとする時に出る形っていうのは一つじゃないはずで、邪さがなければそれでいいんじゃないかと。自分が一つこうじゃなきゃいけないっていうのに固執して息苦しそうなのもつまらなそうだし、そこを曖昧にフラフラしながら周りから何となく許されてる人っていうのもとても魅力的だと思います。

 

・ワンピースしか着ないっていうのが漫画から影響受けてるあたりも面白いですね。

服一つまんま影響受けることってなかなかありませんが、ずっとつけていられるキーホルダーやらアクセサリーやらは定番を見つけてやろう(または作ってやろう)とずっと思ってます。