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SUPERBALLING

とりあえず、好きなことともの。気になったことや疑問。独断と偏見に満ちた妄想。あたりで書いてます。

「ご本、出しときますね?」6

今回はメモをそのまま貼っておさらば。

 

 

若林→藤沢作のオレンジ・アンド・タールの大ファン、若林が後書きを書いた
羽田→影響を受けた作家が藤沢
 
「強迫観念ってありますか?」
藤:若林さんに伺いたいと思って。
若:強迫観念ねー。一番は、明日仕事が無くなって収入ゼロ円になるっていうのが、ほんと1ミリもなくならないですね。今でも。一番お金と仕事が無い時は、風呂無しの3万のアパートで、隣に住んでるのがラッパーだったんすよね、タトゥーだらけの。3万風呂無しのアパートで練習してる声で、「俺がNo. 1!」みたいな。笑  上がタトゥーだらけの夫婦がうるさくて、鍋を天井に投げたりしてっていう。そういうアパート暮らしで、風邪ひいて39度の熱あっても病院行く金がないとか。そういう時に考え方が下手だったんすけど、その中でも楽しみを見つけれたらよかったんですけど、なんかつまはじきに社会にされてる感じが強すぎて。例えば先輩とかでも、高いブランド物とかを買って良いもの知らないとダメだよ、良いワイン飲まなきゃダメだよって言われると、最近落ち着いてきたと思うんですけど、それにだけ怒りが止まらないんですよね。
羽:例えば、若林さんすごい貯金貯まってると思うんですよ。(正直、ハイ。)だからそれを年5%の投資信託とかで増やしてけばそれだけでとりあえず暮らせるとは思うんですよ。お金と、仕事が無いっていう充実感の欠如て、違うのかなどうなのかな。
若:そうそう。やっぱ仕事してる時間って悩まなくていいじゃないですか、自分の内側のことで。あと、金銭が発生すると社会に必要とされてるって、その自分の欠落感が埋まる感じがすごくあるんですよ僕は。それを失う怖さ。今これで仕事無くなった時に、その欠落とうまく付き合う技術とか人間力ってあるのかなと自信ない。その強迫観念かもしんないですね。
藤:僕もありますね。時々、寝ててガーッと起きて「あ、大丈夫かな…。」みたいに若い頃思い出す。食えない、どうしょうって。
若:藤沢先生の小説とかだと、一旦社会から退場してる人とかが多いじゃないですか。藤沢先生自体はああいうことってあったんですか?
藤:僕はね、就職できなかった。学生時代に、作家になれると誤解してまして。文学賞に応募してたわけ、それこそ。そしたら二次予選、三次予選残ったりしたんですよ。これもう卒業する頃に作家になれるわって誤解して、一切就活しなかったんですよ。そしたら、卒業したら明日食う金もないんですよ。仕送りゼロだったんで、どうしようと。肉体労働やったりさ、パチプロやったりさ。俺釘がよめたんですよ。やくものの頃は、もう釘よんで結構それで暮らしてたんですけど。ある日パチンコやったら、確変になって、その時ね「あ、終わった…」て思いましたね。ほんと世界の底にね、ケツがコツンとついた感ありましたよ。もうダメだと。
若:羽田くんはどう?
羽:強迫観念っていったら、「なんで自分こんなに強迫観念に取り憑かれたようにギャラの吊り上げ交渉してんだろう?」て。
 
「女子アナの中で誰が好き?」
藤:若林さんに伺いたいなと思って。いろんな方と会ってると思いますけど。
若:これはなんで?普通に聞いてみたい?
藤:僕がね女子アナ好きだからですよね。なんかいいしゃないですか、知的な感じでさ。合コンとかやるの?
若:いやーあのね藤沢先生、夢を崩すようですけど、僕レベルの芸人は視野に入れてないっすよあいつらは。いやー入れてない入れてない、全然入れてないですね、全然ダメ。僕も女子アナで好きな人がいて、なんかテレビ出たての時にタイプで言ってたんすよね。でもいろんなことがわかってくるじゃないですか段々、仕事してて。女子アナって、女性がなる職業の中でももうトップなんすよ。家柄がまずめちゃくちゃいいんすよね。でまた固定給なんすよ。女性タレントや女優みたいに、仕事がなくなるとかにビクビクせずに、且つチヤホヤもされる。そうなってくるとやっぱ若林ごときとは、トントンでは付き合わないですよ。もうほんとライブを見に来てくれるの水トちゃんぐらいですよ。だからやっぱ違う。仕事の番組上、女性アイドルとかタレントがヨゴレ役を担ってるんすよ。がめつさを出したりとか、仕事として。女子アナは進行だから、それを出さなくていいんすよ。しかも固定給。彼女らは恵まれてるんすよ。だから最近は、菊地亜美とかの方が応援しちゃう、いろいろわかってくると。ほんといい人はいい人ですよ女子アナの中でも。僕は水トちゃんが一番好きですけど、なんかこう飾らない、人を上下で見ないっていうのがすごく伝わってくる人で。
藤:人間的に優れてるんですよ、水トちゃんね。
若:そうなんですよ、自然体だし。局でいうと、どの局のアナが好きですか?
藤:これ難しいねー。迷うとこだけどさ、今の若い人の話を伺ってね、羽田くん、これ女子アナ止めた方がいいね。笑
 
林真理子さんが羽田くんの結婚相手として紹介したい女性がいる」
藤:これ連絡しなきゃいけなかったんだけど。
羽:林さんとそんなにお会いしてるんですか?
藤:エッセイの選考員をやっていて、林真理子さんが「あれ〜藤沢くんって羽田くんと仲良いよね。もうね羽田くんにピッタリの子がいるのよ。」て。今度ちゃんと紹介するから連絡してって言われてたんだわ。まだ会ってないんですよ。僕も写真も見てますし、どういう方かもわかるんで。羽田くんよりちょっと上かもしれない。
羽:林さんが薦めてくるっていうだけで、すごい金使いの荒い女なんじゃって…。
若:会ってみたら?どう?
羽:僕、林さんの「野心のすすめ」を読んだんですけど、自宅で自炊でパスタ食ってDVDとか見てる男ダメだって書いてあって、まさにそんな生活してるんで、ダメじゃないかなーって。それに林さんに認知されてるってことにちょっとビビっちゃう。
 
若:羽田くん芸能人で仲良くなった人いる?一緒に飲みにいったりとか。
羽:飲みいったのは、若林さんと共通の作家の人がいて、あとはKダブシャインさんですね。なんかクイズ番組にご一緒させていただいた時に、「kダブさんのキングギドラのCD聞いてましたよ。」って言ったら、「友達になろうよ。」て言われて、交換して飲みに行きました。
若:俺とkダブだけってすごいね。なんか俺が言うのもなんだけど、もっと良い人と飲みに言って欲しいよね。
 
「世間から求められる真実や真意を矮小化する言葉で安易に言わない」
羽:デレビ的なものとかマスメディア的なものってのは、大多数に一瞬で理解されるように、ある程度情報とか伝えたいことの矮小化が行われると思うんですよ。小説はそれとはけっこう真逆の表現だと思うんで、小説家はそういったことを表現しなきゃいけないと思うんですよね。例えば小説家がテレビに出た時とかに、事前の打ち合わせでけっこうめんどくさいことをペッと話した時に、スタッフさんとかに「つまりそれはこういうことですよね?」って言われた時に、「そんなこと言ってねえんだよコッチは!」ていうのを。変にまとめられたようなこと言うんだったら黙ってた方がいいかなっていうのは。
若:なるほどね。そういう気持ちだとコメント難しいでしょ?テレビは。
羽:難しいっすね。
若:僕もねそれはすごいわかって。僕が心苦しいのが、何度も思ったのがゆとり世代のVTR作った時に、まずVTR作ったやつがゆとり世代わかってねーし。なんだろあな、教育のシステムだから受けるしかなかった子たちだし、あとデータもすぐ会社辞めるって言っても俺らの世代の方がやめた人多かったりするんですよ、三年以内にとか。もう台本とVTRの時点で、ゆとり世代ディスるっていうレールがあまりにも敷かれちゃってて。俺が進行だと、俺がそこを誘導する人になるわけですよ。自分が若い子に思ってることとはまったく逆の時があるんですよ。逆じゃないときはめちゃくちゃやりやすいんですけど。その時にホントに迷いますね。でテレビスタッフ的に、ディスりから入らないと、わかってねーなあいつってなっちゃうし、その後のスタッフさんの会議で。これがテレビは難しいところだよね。
羽:若林さんのテレビとかたまに拝見してると、たまにほんとに若林さん超辛そうだなーって。例えばなんか、VTR見る番組とか、若林さん何も感じてないだろうなー、どうでもいいと思ってんだろうなーて。
若:短時間にわかりやすくテレビって演出してかなきゃいけないから、白か黒か、善か悪か、そういう風に持ってきて、いろんな3つの意見があるよっていうのは盛り上がらないんだよね。だから自分と逆のことを促されてる時に、まぁ金貰ってるからやんなきゃなとは思ってるけど。だから小説家とラッパーだけだと思ってんの本当のこと言ってるのは。笑
 
「現役で小説を書き続ける、それが出来ない場合は小説家を名乗らない」
羽:小説を書いてないのに小説家を名乗るのはどうかと思ってまして。でも僕純文学だとあんまり本がそんなに売れるわけではないんですよ。ってなったときに、がむしゃらに書いてもそれが本にしてもらえるかどうかわかんないんですね。例えば一個の方向としては、あんまり書きたくないものを売れそうな本を書いて原稿料を稼ぐとかって方向もあれば、一方では他の職業をやりながら書きたいものだけ書くっていう選択肢あるんですね。僕は書きたくないものを書くんだったら、全然違う仕事で稼ぎながら、書きたい小説だけ書く方がいいのかなってなんとなく思ってたりしてまして。
 
「小説家として嫉妬した?」
藤:若い時はありましたよ。芥川賞まだとってなかった時に、自分と同世代の人が芥川賞とってっての見た時に、めちゃくちゃにしましたもんね。新聞引きちぎって。俺ってそんな人間なんだって思ったもん。賞いただいたりなんかして、もう57ですから、そうなると自分の本分ってなると大げさですけどなんか見えてきて。俺どんな頑張ってもたかが知れてると。本分を尽くしていくしかないなって。
若:羽田くんはどう?嫉妬あるの?
羽:嫉妬ありますね。ありましたね。なんでアイツの本が売れてんだって。
 
「書くとは世界と刺し違えること」
藤:マジで書いちゃった。究極的に何で書いてるのかっていうと、世界の真実っていう本質っていうかか、実相を書きたいわけですよ。ていうのもそれっていうのは言葉以前の世界ですから、言葉以前のものを言葉で書くっていう。だけどそれをずーっと詰めていってなるべく近い言葉、自分のイメージに近い言葉を探して、一旦言葉にした時にはもう、その世界の真実には敗北しているわけですね。言葉ってクッションが入ってますから。だからせめて、書くっていうことは世界と刺し違えるんじゃないかなっていう。そういうことを思いながらいつも書いてます。以前ね、書くっていうことがわかんなくなってきて、NHKのブックレーベルって番組で司会やってた時に、瀬戸内寂聴さんが出てくださって。俺恥ずかしかったんだけど、作家じゃないですか、「寂聴先生、なんで小説書くんですか?」って言ったんですよ。そしたら寂聴先生がふっと「あなたも作家でしょ?」て言って、ニコニコしながら「それは本物を知りたいからよ。」て仰ったんですよ。この一言は、そうだよねって迷いがとれましたね。
若:今はどういう目的で書いてると思います?
藤:要はおもしろいからなんですよね。
羽:そうですよね。例えば効率よく稼ぐとかだったら、なんか講演会とか行っちゃった方が、原稿用紙200枚書いた原稿用紙が、講演会だとたかだか
1時間喋るだけで稼げちゃうってなったら、単純に経済的な効率性だったらそっちの方が。僕は講演会はやりつつなんですけど、それらよりよっぽど楽しい時間っていうのは小説の本文書いてる時なんですよね。それはなんでやってるのかな、小説家が小説書いてないの下品ってのはあるんですけど、書いてること自体が快楽をもたらしてるんですかね。これによって世間に認められたいとかじゃないんですよ。書いてるだけで何かに近づいてる感じっていうのは、それが純粋に満足感をもたらしてるっていうのはありますね。
 
「世界の実相を掴ませてくれる小説ってありますか?個人個人あるとは思いますけどね。」
藤:僕今ふと思いつくのは、もう現代日本文学の最高峰ですね。古井由吉さんの小説ですね。あの方の文章は、翻訳不能なぐらいすごいんですよ。
若:しいて一冊をあげるとしたら何でしょう?
藤:全部素晴らしいんですけど、そうだなぁ、「辻」かな。古井さんは今ずっと連作短編をやってるんですけどね、あの方の世界っていうのは日本語でなければ表現されない。しかもそれを僕は認識したり感じたりするって言語の体系の中で考えるんですけど、古井先生の作品は言語体系を外にちょっと出てるんですよ。そこにあるのは、美だったり死だったり、僕らが言葉で説明できないものなんですけど、そこの世界に入って戻ってきて言葉にしている。世界と世界以前の境界を書いている感があって、あの作品はやっぱりすごいなとは思いますね。